用語辞典 — ツギノテ。LEARNGLOSSARY

リスキリング

リスキリング(reskilling)とは、新しい職業に就くため、または現在の職業で求められるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得することです。企業が従業員に学ぶ機会を用意し、仕事や役割の転換につなげる意味でも使われます。

日本語では広く「学び直し」と訳されますが、あらゆる学習を指す言葉ではありません。何を学ぶかだけでなく、学んだ後にどの仕事・役割で使うかまでが結びついているのが本来のポイントです。「働きながら行うこと」は多いものの、在職中であること自体は定義の必須条件ではありません。

なぜ注目されるのか

「一度身につけた技能で定年まで働ける」という前提が崩れ、職業人生の途中で技能を入れ替えたり、付け足したりする必要が出てきたためです。企業にとっては、採用に頼りきらず社内の人材を育て直す人材戦略として、国にとっては、産業構造の変化に人が対応できるようにする政策として、両面から語られています。個人にとっても、働き続けるための現実的な備えという意味合いが強まっています。

似た言葉との違い

言葉主な目的仕事との関係
リスキリング新しい職業・役割、または大幅に変わる仕事へ対応する学習後の職務や役割が重要
アップスキリング現在の仕事に必要な技能を高める今の職務の延長が中心
生涯学習教養、生活、地域活動、仕事など幅広く学ぶ仕事に限らない

現実には境界が重なるため、名前だけで判断しないことが大切です。たとえば「AI研修」でも、今の業務を少し効率化するならアップスキリング、新しいAI運用担当へ移る計画まで含むならリスキリングに近くなります。

始める前に確認する三つのこと

①学んだ後の職務や役割は何か、②勤務時間内の学習時間と費用支援があるか、③修了後に実務で試せるか、の三点です。講座を受けることだけを目標にすると、修了証は残っても仕事が変わらないことがあります。企業施策なら、異動先・社内公募・評価制度まで確認すると、「研修」と「職務転換」の距離が見えます。

出典:経済産業省の検討会資料「リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流―」(新しい職業、または現在の職業で必要なスキルの大幅な変化への適応)/中小企業庁「2023年版中小企業白書」。教育訓練給付などの支援制度は要件が改正されるため、申請時点の一次情報をご確認ください。