アップスキリング。
アップスキリング(upskilling)とは、いまの職務を続けながら、その職務で求められる技能の水準を上げる学び。職務や役割の転換を前提にしない点で、移動を含意するリスキリングと区別して使われることが多い。
同じ「学び直し」でも、目的地が違います。アップスキリングは、いまいる場所で高く積み上げる学び。リスキリングは、別の場所へ移るための学びとして語られてきました。日本語では両方が「学び直し」「社内研修」とまとめられがちで、そこから話がかみ合わなくなることがあります。
なぜ区別が必要なのか
制度の設計が変わるためです。技能の水準を上げるだけなら、研修や動画教材を用意し、業務のなかで試す機会をつくれば形になります。ところが職務を移す前提を置くと、転換先のポストの設計、対象者の選定基準、人事評価との接続、受け入れる部署の準備までが必要になります。前者は人事制度を大きく動かさずに実行できますが、後者は制度そのものを動かさないと始まりません。「うちはリスキリングをやっている」という説明が、実際にはアップスキリングの範囲にとどまっていることは珍しくありません。
学ぶ側の見分け方
会社の制度説明や募集要項に「転換先」「受け皿」「社内公募」「対象者の選定」にあたる語があるかどうかが、ひとつの手がかりになります。無ければアップスキリング寄りの設計だと読めます。それは劣った制度という意味ではありませんが、職務を移る計画は自分の側で持つ必要がある、という前提が立ちます。そのとき、個人が主語の支援制度や、社外にも通じる形で学習を記録しておく手段が意味を持ってきます。
補足:関連して「教育訓練給付」「オープンバッジ」などがある。用語の使い分けは組織や文脈によって幅があるため、社内文書では定義を添えて用いるのが安全。