用語辞典 — ツギノテ。LEARNGLOSSARY

四つの口

四つの口(よつのくち)とは、江戸時代の日本が異国・異域に向けて開いていた四つの窓口の総称。長崎口(幕府直轄・オランダと中国)、対馬口(対馬藩・朝鮮)、薩摩口(薩摩藩・琉球王国)、松前口(松前藩・蝦夷地のアイヌ)の四つを指す。

四つのうち幕府が直接握っていたのは長崎だけで、残る三つは藩が相手と向き合いました。品物のやりとりを通商、使節のやりとりを通信と呼び分け、長崎が通商、対馬と薩摩が通信にあたります。松前が向き合った蝦夷地は、当時の枠組みでは異国ではなく異域として扱われました。

呼び名は1981年から

この呼称は1981年に歴史学者の荒野泰典が用いたのが最初とされ、現在は高校の教科書にも使われる用語として定着しています。1960年代までの学界では、近世日本は海外に対して国を閉ざしていたとする見方が定説でしたが、その後の研究によって、対外関係が江戸幕府に管理されていたとする理解が通説になりました。「鎖国」という語そのものも、蘭学者・志筑忠雄が享和元年(1801年)に訳述した『鎖国論』が最も古い例とされる後世の訳語です。

四つに数えるときの注意

琉球は薩摩藩の下に置かれた一方で、中国の王朝に朝貢もしていました。四つの口の図では薩摩と琉球を一本の線で結びますが、その線の先はもう一方へも伸びています。区分の立て方そのものが一つの整理であり、どこを「国」と見るかの判断を含んでいる点に注意が必要です。

補足:区分の名称・成立年・担い手の権限の範囲は資料により説明の幅がある。最新の一次情報・研究での確認を推奨する。関連:唐人屋敷