スキャフォールディング。
スキャフォールディング(scaffolding/足場かけ)とは、学習者が一人ではまだ届かない課題に取り組むとき、教える側が一時的な支え(足場)を用意し、できるようになったら外していく教育の考え方。
語源は建築現場の「足場(scaffold)」です。足場は建物を建てるあいだだけ組まれ、完成すれば撤去されて、建物の一部にはなりません。学びの支援も同じで、支えはあくまで一時的なもの、最後に残るのは本人の力だけ、という含意が名前に込められています。
どこから来た考え方か
1976年にウッド、ブルーナー、ロスの3人が、大人が子どもの問題解決をどう手伝うかの研究の中で提唱したとされます。理論的な背景には、ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」——一人では解けないが、適切な助けがあれば解ける領域——の考え方があり、教育はまさにこの領域に働きかけるべきだ、と整理されてきました。ヒントを出す、手順を分割する、見本を示す、問いで方向づける、といった関わり方が足場の典型です。
生成AI時代の足場かけ
生成AIの登場で、この概念は改めて参照されています。テーマのアイデア出しや、わからない問題の解説は「足場」として働きやすい一方、感想文の代筆のように成果物そのものを渡してしまう使い方は、足場ではなく建物の代行になります。足場かけには「できるようになったら外す」という後半までが含まれるので、支えを入れることよりも、外しどきを見ていることのほうが本質だ、という点は覚えておきたいところです。
補足:提唱の経緯や定義の細部には研究上の整理が複数ある。ここでは教育分野で広く共有されている理解に沿って記述した。