用語辞典 — ツギノテ。LEARNGLOSSARY

サルバトール・ムンディ

サルバトール・ムンディ(Salvator Mundi)とは、ラテン語で「世界の救世主」を意味する言葉。右手を挙げ、左手に水晶球を持つキリストを描いた図像の呼び名で、とくに2017年11月15日にニューヨークのクリスティーズで4億5,030万ドルで落札された板絵を指して使われる。

この落札額は、オークションで2億ドルを超えた最初の美術品という記録になりました。ただし、値段の大きさと帰属の確かさは別の話です。この絵がレオナルド・ダ・ヴィンチ本人の手によるものかどうかについては、専門家の合意がありません。

争点はどこにあるか

主な争点は二つです。一つは、修復の手が広く入っていること。もう一つは、レオナルドの生前の記録に「救世主」を描いたという言及が一つも見つかっていないことです。全体を彼が描いたと決定づける方法がない、という指摘があり、専門家のなかには本人ではなく工房の作とみる立場もあります。

落札のあと

落札後、この絵は美術館での公開が計画されましたが延期され、その後は公の場に出ていません。所在をめぐる報道も続いています。レオナルドに帰属される絵の点数がいまも動いていることを示す、現在進行形の事例です。

補足:落札額・落札日は Britannica ほかによる。帰属の評価は研究者によって異なり、確定していない。細部は一次情報での確認を推奨する。