用語辞典 — ツギノテ。LEARNGLOSSARY

教育振興基本計画

教育振興基本計画(kyoiku-shinko-kihon-keikaku)とは、教育基本法第17条にもとづき政府が定める、教育の振興に関する基本的な計画。おおむね5年を対象期間とし、平成20年7月に初めて策定された。政府はこれを国会に報告し、公表しなければならない。地方公共団体は、国の計画を参酌して地域の実情に応じた計画を定めるよう努めることとされている。

幼児教育から学校教育、高等教育、社会教育までを一枚に載せた計画です。教育基本法は平成18年12月に全面改正され、その第17条がこの計画の根拠になっています。第1期(平成20〜24年度)、第2期(平成25〜29年度)、第3期(平成30〜令和4年度)、第4期(令和5〜9年度)と5年おきに更新されてきました。第4期は令和5年6月16日に閣議決定されたもので、「持続可能な社会の創り手の育成」と「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」を総括的な基本方針としています。

自治体の計画へ写る仕組み

読み落としやすいのは第17条の第2項です。地方公共団体は、国の計画を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体における教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならない、と書かれています。参酌は参照して考え合わせるという意味で、内容をそのまま写す義務ではありません。それでも実際には、都道府県や市区町村が教育振興基本計画や教育大綱を作り直すときの土台になります。国の計画の言葉が地域の文書に別の表現で現れるのは、この条項があるためです。

第5期の策定が始まった

令和8年8月21日、文部科学大臣の松本洋平が中央教育審議会に第5期教育振興基本計画の策定を諮問しました(8文科教第877号)。対象期間は令和10年度から令和14年度です。同日、計画づくりを担う教育振興基本計画部会の設置案も示されました。諮問文は、生成AI等の技術革新、予測を上回る人口減少・少子高齢化、社会・産業構造の変容、我が国社会の多様化、国際情勢の不安定化を挙げ、VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)に加えBANI(脆さ・不安・非線形・不可解)の時代とも指摘されると記しています。検討すべき観点は五つに整理され、AI時代への対応が第一に置かれました。日本教育新聞の報道によれば、中教審は令和9年末をめどに答申をまとめる予定です。

補足:計画の対象期間と諮問の内容は令和8年8月21日の中央教育審議会(第144回)配付資料により、答申の時期は日本教育新聞の報道による。諮問文と概要の資料には答申の期限は記載されていない。部会の委員名簿と初回の日程は同日の資料では示されていない。第5期計画に何が盛り込まれるかは審議の結果によって決まる。