用語辞典 — ツギノテ。LEARNGLOSSARY

準学士

準学士とは、高等専門学校を卒業した者が称することができる称号。学校教育法第百二十一条に「高等専門学校を卒業した者は、準学士と称することができる」と定められている。学位ではない。

条文の形が、そのまま性格を表しています。大学について定めた同法第百四条第一項が「学士の学位を授与するものとする」と授与する側を主語に置いているのに対し、第百二十一条は「称することができる」と、名乗る側に主語を置いています。

学位と称号は、どこで分かれるか

文部科学省は、短期大学士の制度が始まった際のパンフレットで両者を説明しています。学位は、①学術の中心である大学が与えるもの、②一定水準の教育を受け、知識・能力を持つと認められる者に与えられるもの、③授与された学位は国際的にも通用するもの。一方の称号は「特定の学校を卒業したことについて本人が称することができるもので、公に一定の価値・栄誉がありますが、国際的には、どのような知識・能力を持つか理解され難いことがあります」とされています。

国内では、高専の卒業者に大学への編入学資格が認められています。差が表面化するのは、進学や就職で国境をまたぐ場面です。

短期大学は先に移った

準学士の称号は、かつて短期大学の卒業者にも与えられていました。平成17年10月1日に学校教育法の一部を改正する法律の一部が施行され、短期大学の卒業者には短期大学士の学位が授与されることになりました。理由として挙げられているのは、諸外国で短期高等教育機関の修了者に学位が授与されはじめており、国際的通用性の観点から学位授与が求められていたことです。過去の卒業者については、従前の準学士の称号を短期大学士の学位とみなすこととされました。

高専の学位をめぐる現在地

高専の卒業者が学士の学位を取る道は、現行制度にもあります。学校教育法第百四条第七項が独立行政法人大学改革支援・学位授与機構に授与の権限を与えており、学位規則第六条は、高等専門学校に置かれる専攻科のうち同機構が定める要件を満たすものにおける学修を、審査の対象に含めています。ただし本科5年の修了だけでは学位に届きません。

文部科学省「高等専門学校の機能強化に関する検討会」は、令和8年7月30日の第3回で示した中間整理の骨子案で、高専卒業者が学位を有しないことにより不利益が生じている実態等を踏まえ、高専本科卒業者に「学位授与」を可能とすることが必要であり、法制的な観点も含めて検討が求められるとしました。あわせて、学位授与の主体(大学改革支援・学位授与機構を含む)、既卒者への対応、現行の称号の取り扱い、国際的に理解されやすい学位名称の検討が必要であると整理しています。

補足:2026年8月時点で中間整理は骨子の案の段階であり、確定した制度ではありません。最新の状況は文部科学省の一次情報でご確認ください。関連:高専の5年は、なぜ学位にならないのか。7月30日の骨子案が残した、四つの宿題。