学校・教室 — 2026.08.17 MON NO.059 / TSUGINOTE LEARN

休日の部活動は17.5%が地域クラブへ移りました。
平日は4.7%。令和9年度までの予定も並べます

円形に並んだ椅子で年齢の異なる参加者が向かい合い、地域の集まりのように話し合っているイラスト

要点:スポーツ庁・文化庁の「部活動改革の取組状況に関する調査」が2026年8月に公開されました。休日の部活動のうち地域展開に至った、または取り組んでいるものは令和7年度実績で17.5%(22,357部)、平日は4.7%(6,040部)です。市区町村の数で見ると休日は55.5%(967)で、部活動の数で見た割合とは大きく開きます。以下に、休日と平日、部活動ベースと市区町村ベース、そして令和8・9年度の予定値を表で並べます。あわせて、この数字が数えていないものも書きます。

お子さんが中学校に通っているご家庭では、「土日の部活が学校の外に移るらしい」という話を、この数年のあいだに一度は耳にされたのではないかと思います。話は聞くけれど、自分の地域がいまどのあたりにいるのかは分かりにくい。私自身、資料を追いかけていて同じことを感じていました。

その進み具合を全国分そろえた数字が、2026年8月に公表されました。スポーツ庁の部活動改革ポータルサイトに載った「部活動改革の取組状況に関する調査(令和8年度)」です。スポーツ庁と文化庁が、全ての都道府県と市区町村等を対象に、2026年4月22日から5月22日にかけて調べたものです。運動部と文化部の合計で集計されています。

休日と平日で、進み方がまったく違う

まず、部活動の数を単位にした割合から見ます。地域展開とは、学校の部活動が地域クラブ活動へ移ることを指します。ここでの数字は、移行が完了したものと、いま取り組んでいるものを合わせた値です。

年度休日・地域展開平日・地域展開
令和5年度(実績)5.6%(7,121部)1.9%(2,373部)
令和6年度(実績)10.0%(12,764部)2.8%(3,631部)
令和7年度(実績)17.5%(22,357部)4.7%(6,040部)
令和8年度(予定)27.8%(35,613部)9.7%(12,388部)
令和9年度(予定)38.2%(48,909部)14.3%(18,261部)

休日は3年で5.6%から17.5%へ、3倍を超えて伸びました。一方で平日は1.9%から4.7%です。差が縮まる気配は、予定値を見てもありません。令和9年度の予定でも、休日38.2%に対して平日は14.3%です。

この開きには理由があります。改革は当初、休日の部活動を先に地域へ移す設計で始まりました。平日は授業と生徒の生活に直結し、指導者の確保も送り迎えの負担も重くなります。保護者が最初に変化を実感するのは、おそらく土日のほうからです。

部活動の数で見るか、市区町村の数で見るか

同じ調査を、今度は自治体の数で見ます。ここで景色が変わります。

年度休日・地域展開に取り組む市区町村平日・同
令和5年度(実績)25.7%(448)12.0%(209)
令和6年度(実績)41.0%(713)19.4%(337)
令和7年度(実績)55.5%(967)28.8%(502)
令和8年度(予定)68.8%(1,198)39.8%(693)
令和9年度(予定)76.6%(1,333)46.6%(812)

令和7年度の休日で比べると、部活動ベースが17.5%、市区町村ベースが55.5%です。3倍以上の開きがあります。

矛盾しているわけではありません。二つは違うことを数えています。市区町村ベースの55.5%は「その自治体で、何らかの部活動について地域展開が始まっている」を意味します。部活動ベースの17.5%は「全国の部活動のうち、何部が対象になっているか」です。つまり、着手した自治体のなかでも、動いているのはまだ一部の部活だという読み方になります。

ご自身の市区町村が「取り組み済み」に数えられていても、お子さんの入っている部がそこに含まれているとは限らない。実感とのずれは、たいていここから生まれます。


「地域連携」は、これから減る予定になっている

この調査にはもう一つの区分があります。「地域連携」です。合同部活動の実施と部活動指導員の活用の、両方またはいずれかを行っている状態を指します。学校の部活動のまま、外部の力を借りる形と考えると分かりやすいと思います。

休日の地域連携は、部活動ベースで令和5年度9.0%(11,574部)、令和6年度10.5%(13,453部)、令和7年度11.6%(14,819部)と伸びてきました。ところが令和8年度の予定は11.8%(15,125部)、令和9年度は11.4%(14,571部)です。ここで頭打ちになり、わずかに下がります。

市区町村ベースではもっとはっきりしています。休日の地域連携は令和7年度53.7%(935)が最高で、令和8年度50.0%(871)、令和9年度43.8%(762)と下がる予定です。

地域連携が減る一方で地域展開が増える。連携で足場を作った自治体が、そのまま展開へ移っていく想定だと読めます。

ただし、これはあくまで数字の並びから読み取れることです。調査資料そのものに理由は書かれていません。断定はしないでおきます。

この数字が答えていないこと

三つ、注意点があります。

一つめ。割合の分母は実数ではありません。資料の注記に、部活動数の母数を128,000部(スポーツ100,000部、文化芸術28,000部)として割合を算出した、と明記されています。全国の部活動を一つずつ数え上げた値ではなく、置いた数を分母にした概算です。部数の変化そのものより、年度ごとの動き方を見るための数字だと考えるほうが安全です。

二つめ。令和8年度と令和9年度は「予定」です。自治体が回答した見込みであって、実績ではありません。過去3年は実績が予定を裏切らずに伸びてきましたが、これから先も同じとは限りません。

三つめ。この調査は「進んだかどうか」を数えたもので、「うまくいっているかどうか」は数えていません。指導者を確保できたか、会費の負担がどうなったか、参加できない生徒が出ていないか。そうしたことは、この資料からは分かりません。


次の一歩

令和8年度から、改革は「改革実行期間」に入っています。資料は令和9年度を「改革実行期間の2年目」と書いており、そこから逆算すると初年度が今年度にあたります。それに先立って、2025年12月には「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」が新しく示されました。

この記事を読み終えたあとに一つだけ確かめるとしたら、お住まいの市区町村の教育委員会が出している部活動の地域展開に関する方針や実施計画を探してみることをおすすめします。全国の55.5%という数字より、そちらのほうが直接効いてきます。探すときは、休日と平日を分けて確認してください。ここまで見てきたとおり、この二つはまったく別の進み方をしています。

出典:スポーツ庁・文化庁「部活動改革の取組状況に関する調査(令和8年度)」(調査期間 2026年4月22日〜5月22日、調査対象 全ての都道府県・市区町村等)PDF/スポーツ庁「部活動改革ポータルサイト」https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop01/list/1372413_00003.htm/同「予算事業」https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop01/list/jsa_00014.html(いずれも2026年8月17日閲覧)。「地域展開」「地域連携」の定義および母数の置き方は、同調査資料の注記に拠りました。令和8・9年度の値は予定であり実績ではありません。個別の地域の状況は、お住まいの市区町村の教育委員会にご確認ください。
EDITOR'S NOTE — サトス:同じ調査から、17.5%と55.5%という二つの数字が出てきます。どちらかが正しいのではなく、数える単位が違うだけです。ニュースで一方だけを見たときに「話が違う」と感じたら、まず単位を疑ってみてください。私はこの資料で、それをもう一度教わりました。

編集責任者Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.08.17
本記事はAI編集部が執筆しています。掲載の判断と内容の責任は編集責任者が負います。誤りを見つけられた場合はお問い合わせからご指摘ください。訂正の手順は訂正ポリシーに定めています。