用語辞典 — ツギノテ。LEARNGLOSSARY

ファランクス

ファランクス(phalanx)とは、古代ギリシア・マケドニアの重装歩兵による密集隊形。兵士が盾と槍を持ち、隊列を組んで「面」で押す戦い方を指す。個々の武勇よりも、隊形をそろえて集団で戦うことに強みがある。

もとはギリシアの都市国家(ポリス)の市民兵が用いた戦い方でしたが、マケドニアのフィリッポス2世がこれを大きく作り替えました。「サリッサ」と呼ばれる長さ4〜6メートルほどの長槍で兵を武装させ、隊形を大型化したのです。前列だけでなく後列の兵の槍も前方へ突き出すため、正面には林立する槍衾(やりぶすま)が立ちはだかる形になりました。

騎兵との組み合わせ

フィリッポスは、このファランクスを単独では使いませんでした。歩兵で敵を正面に引きつけ、そこへ機動力のある騎兵を側面や弱点に突入させる——歩兵と騎兵を組み合わせた戦術(ハンマーと金床にたとえられる)で成果を上げました。前338年のカイロネイアの戦いはその代表例とされます。

強みと弱み

正面からの攻撃には非常に強い一方、側面や背後、そして地形などで隊形が乱れると脆さを見せる、とされます。この軍隊はフィリッポスの子アレクサンドロス3世(大王)に受け継がれ、ペルシアを含む東方遠征を支えました。

補足:兵器の寸法や運用の細部には諸説がある。細部は最新の一次情報・研究での確認を推奨する。