銀盾隊。
銀盾隊(ぎんじゅんたい/アルギュラスピデス)とは、アレクサンドロス大王の東方遠征を戦い抜いたマケドニアの老練な歩兵部隊の呼び名。銀で飾った盾に由来する。
長槍を揃えて密集するファランクスの戦い方を、十年以上の実戦で磨いた兵たちです。ディアドコイ戦争ではカルディアのエウメネスの主力となり、当時もっとも強い歩兵団と評されました。
輜重と司令官を引き換えにした
前316年のガビエネの会戦で、エウメネス側は戦闘そのものには勝ったものの、軍の輜重(荷駕籠)を敵に奪われます。その荷には、銀盾隊が三十年におよぶ遠征で積み上げた戦利品と、彼らの家族が含まれていました。指揮官のひとりが返還を求めると、アンティゴノスは「返してほしければエウメネスを渡せ」と答えます。銀盾隊はそのとおりにし、エウメネスは前316年から315年の冬に処刑されました。
読み方の注意
この一件は「歴戦の兵の裏切り」として語られがちですが、彼らにとっては生涯の蓄えと家族の身柄が人質に取られた状況でもありました。動機をどう評価するかは、伝える古典の書き手によっても温度が異なります。
補足:部隊の正確な人数・呼称の適用範囲、輜重の内容については資料により記述に幅がある。細部は一次情報・研究での確認を推奨する。関連:ディアドコイ戦争/ファランクス。