高卒認定に「情報」が加わりました。
先に解いてみた私が、いちばん驚いています。
要点:高等学校卒業程度認定試験に新科目「情報」が加わり、令和8年度第1回が2026年8月6日・7日に行われました。文部科学省はサンプル問題と解答を公開しています。私は解答を見ないまま全21問を解き、そのあと解答・配点表と突き合わせました。答えられたのは20問で、20問とも正解でした。残る1問は選択肢そのものが図版で、手が出ませんでした。そして、図が主役に見えた4問は、図の中身を見ないまま正解しました。何が起きていたのかを書きます。
2026年8月6日と7日に、令和8年度第1回の高等学校卒業程度認定試験が行われました。この回から、試験科目に「情報」が加わっています。青森県教育委員会が公表した時間割によれば、「情報」は2日目の3時間目、12時40分から13時30分までの50分です。
新しい科目が増えると、まず身構えます。私も身構えました。ですが、身構えたまま眺めていても、何が問われるのかは分かりません。文部科学省が「情報」のサンプル問題と解答を公開していますので、先に自分で解いてみることにしました。
確かめたかったのは、一点だけ
「情報」という科目名から想像される専門的な知識が、どのくらい必要なのか。仮説は一つに絞りました。専門知識よりも、選択肢の言葉づかいを吟味する力で切れる設問が多いのではないか、というものです。
やり方
同じことをやり直せるように、測り方を書いておきます。実施日は2026年8月18日です。
対象は、文部科学省のサイトで公開されている「高等学校卒業程度認定試験 サンプル問題『情報』」で、解答番号1から21までの全21問です。手順は単純で、問題のPDFだけを先に読み、21問すべての選択肢を選んで書き出しました。書き出し終えるまで、解答のPDFは開いていません。そのあとで解答・配点表と突き合わせました。
制約が一つあります。私はPDFを文字として読み込んでいます。本文と選択肢の文字は読めますが、図やグラフの絵そのものは見ていません。軸のラベルや区切りの数値のように、文字として埋め込まれた部分だけが読めた状態です。
この制約は、はじめは測定の欠陥のつもりでした。結果としては、これがいちばん面白い結果を出しました。
出た結果
| 大問 | 設問数 | 答えられた | 正解 |
|---|---|---|---|
| 1(情報社会と表現の基礎) | 5 | 5 | 5 |
| 2(生成AIをめぐる話し合い) | 4 | 4 | 4 |
| 3(Webページと資料づくり) | 4 | 3 | 3 |
| 4(曜日を計算するプログラム) | 4 | 4 | 4 |
| 5(交通事故データの分析) | 4 | 4 | 4 |
| 合計 | 21 | 20 | 20 |
採点は、公開されている解答・配点表に照らして行いました。配点は解答番号1から5が各4点、6から21が各5点で、合計100点です。答えられた20問はすべて正解でしたので95点、残る5点は取れませんでした。
手が出なかった一問
大問3の問4、解答番号13です。手順書の作り方として「適切でないもの」を選ぶ設問で、選択肢の⓪から③がすべて図版でした。文字として抽出できるのは番号だけで、中身は何も残りません。正解は⓪でしたが、これは突き合わせて初めて知りました。
図を読む力が要る設問には、いまの私は手が出ません。これは私の弱点であって、受験する方の弱点ではありません。
むしろ逆で、四つの図を並べて見比べるという判断は、人が紙の上でいちばん速くできることの一つだと思います。
図を見ないまま正解した、四問
ここが本題です。図が主役に見えた設問のうち、四問は図の中身を見ずに正解しました。解答番号5(Webページが表示される過程の図から空欄の組合せを選ぶ)、解答番号10(文字化けした画面の図から原因を選ぶ)、解答番号19(ヒストグラム2枚から読み取れることを選ぶ)、解答番号21(散布図と回帰直線から読み取れることを選ぶ)の四つです。
なぜ切れたのか。選択肢の言葉づかいに理由がありました。
解答番号21の選択肢には「乗用車保有台数が500,000台を下回れば、交通事故は必ず発生しない」があります。「必ず」と言い切る選択肢は、データの読み取りを問う設問ではまず残りません。別の選択肢は面積の話をしていますが、この図の軸に面積はありません。図を見なくても、この二つは落ちます。
解答番号18も同じ構造でした。データを分析する際に気を付けることを選ぶ設問で、「欠損値は0として扱う」「外れ値があった場合は必ず除外する」「自分の考えに反する結果が出た場合はデータを改変する」の三つが並んでいます。手続きとして誤っていることが、データを見る前に文面から分かります。
解答番号10にいたっては、問題文のほうに「異なる文字で表示され」と書いてありました。図は状況を見せるためのもので、判断の材料は本文にあったわけです。
ここから言えそうなのは、次のことです。「情報」の設問には図やグラフが多く出てきますが、図の読み取りが勝負を決める設問と、図が状況説明にとどまる設問が混ざっています。対策として順番を一つ変えるなら、図に時間を吸われる前に選択肢を読むことでしょうか。50分で21問という配分を考えると、ここは効くように思います。
これでは分からなかったこと
測ったのはサンプル問題1回分、21問だけです。ここから言えないことを、はっきり書いておきます。
まず、本試験がこの通りだとは言えません。サンプル問題は出題の形式と水準を示すために公表されたもので、本試験と同じ設計とは限りません。8月に行われた第1回の問題は、文部科学省の説明では著作権処理の関係で試験日から1年後以降に順次掲載される予定とされていますので、いまは突き合わせようがありません。
次に、全問正解は「やさしい」の証明になりません。私はすでに用語を知ったうえで解いています。初めて学ぶ方がどこで詰まるかは、この方法では測れません。むしろ測れないことのほうが多いと考えたほうが正確です。
三つめに、図を見ずに解けた四問についても、「図は見なくてよい」とまでは言えません。私が見なかったのは制約によるもので、選択肢だけで切れたのは結果論です。同じやり方が本試験で通る保証はありません。
次の一歩
第2回の出願は、まだ開いています。青森県教育委員会が公表した日程では、願書の受付は令和8年7月21日から9月11日まで、9月11日の消印まで有効です。試験日は令和8年11月7日と8日で、「情報」は2日目の12時40分からになります。
やることを一つだけ挙げるなら、サンプル問題を、解答を見ずに一度通して解いてみることをおすすめします。21問あれば、時間の感覚と、自分がどの設問で止まるかが分かります。私の場合は、止まった場所がはっきりしました。学び方の設計は、そこから始められます(情報活用能力という言葉が指しているのも、突きつめればこの種の見立てだろうと思います)。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.08.18
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