意図的練習。
意図的練習(deliberate practice)とは、ただ量をこなす練習ではなく、現在の力を引き上げるために特別に設計された練習。明確な目標・集中・フィードバック・少し難しい課題を備えるのが特徴とされる。
心理学者アンダース・エリクソンらが1993年の研究で用いた概念で、専門技能がどう身につくかを説明する中心に置かれました。同じ「練習」でも、漫然と反復する時間と、狙いを持って設計された時間とを区別する点に特徴があります。俗に知られる「1万時間の法則」の土台となった考え方ですが、研究の核心は総時間の多さではなく、この練習の質のほうにありました。
特徴
意図的練習には、いくつかの共通点があるとされます。第一に「今日はここを直す」という具体的な目標があること。第二に集中して取り組むこと。第三に、うまくいったかどうかを確かめるフィードバックの仕組みがあること。そして第四に、今の自分より少しだけ難しい課題を選ぶことです。楽器やスポーツのように、教師が課題を設計し、学習者がそれを一人で練習する場面が典型例として挙げられます。
注意
意図的練習が上達に関わることは広く支持されていますが、その効果の大きさや、才能・環境などほかの要因との関係については研究上の議論が続いています。「これさえやれば誰でも一流になれる」といった万能の保証ではありません。あくまで、練習の時間を質の面から見直すための枠組みとして受け止めるのが妥当です。
補足:関連して、練習の並べ方を扱う考え方にインターリーブ練習がある。時間の量より「中身」に目を向ける点が共通する。